■12月28日公開『正義のヒーローは団の地に集うようです』

正義のヒーローは団の地に集うようです by 山本すずめ on pixiv

超水道秘蔵のボツネタその7。
「正義のヒーローは団の地に集うようです」

東京都の端っこ。高度経済成長期においては東京都の住宅事情改善に大いに貢献したこの町に、その団地は建っていた。
かつては若い家族がひしめき合うように暮らした巨大な団地群は、若い人口の流出により巨大な老人ホームと変わらない様相を呈す。
管理側が家賃を引き下げても、老人の孤独死が相次ぐので借り手はますます寄り付かなくなる。

静かな滅びを待つ団地に越してきた主人公、総一朗。
大学生活に馴染めなかった彼は、留年による仕送りの減額によって、この団地への入居を余儀なくされたのだった。
夜中の団地で謎の怪人に襲われた主人公を助けたのは、一見カワイイ女の子だが、人間離れした身体能力を持つ、謎の隣人。
しかし総一朗はそんな怪しげな隣人に一目惚れしてしまうのだった。

一方、二度目の一年生向けガイダンスで出会った後輩は、総一朗を「正義の素質がある」と評価し、勝手に慕ってくるようになる。
夜中の団地を歩く二人を襲う怪人。後輩が取り出したのは謎のベルト。そして謎の変身を済ませ、謎の戦いを繰り広げ、倒された怪人は謎の爆発をする。
15年前、日本を征服すべく暗躍していた「組織」の存在。そしてその野望を打ち砕いた「伝説のヒーロー」の存在。
必要とされない団地で、必要とされない大学生が、必要とされないヒーローと、少女と、いま、出会う。

■12月25日公開『死骸の地図のあるきかた』

死骸の地図のあるきかた by 山本すずめ on pixiv

超水道秘蔵のボツネタその6。
「死骸の地図のあるきかた」

この世界は、死に溢れている。
生きた人間は、死んだ木に腰掛け、死んだ金属に手を載せて、動物の死肉を食べる。

「死にあふれた」世界で「死にあぶれた」ものたち。
その未消化な死は、生と死の間に、ひとつの世界をつくる。
「死骸の地図」と呼ばれ、さながら迷宮のような形を取っていると言われている。
人間の理解を越えたその迷宮を踏破した人間は、その死すらも覆すことがきるとか、できないとか。

カオルは、どこにでもいるちょっと太めの高校生。
ユーモラスな外見と豊かなコミュニケーション能力で、男女どちらにも等しく信頼を注がれ、クラスの中心的人物である。
そんな彼が思いを寄せるのは、クラスのはぐれ者の女の子。
話してみれば感じもよく、おかしな趣味も持っていないのに、なぜか遠巻きにされている。
クラスの中心人物、という立場ゆえに、話しかけることもできずに、日々は過ぎてゆく。

ある秋の日、彼らの高校の周りで動物の死骸が大量に見つかった、と、担任が言った。
校舎の裏で、使われないトイレで、ボイラー室で。
誰にも看取られることなく死んだいきものたち。
とある噂が、校内を駆け巡る。犯人は、カオルが想いを寄せる、彼女である、と。

真実を突き止めるべく、ある日の放課後、意を決して接触を図ったカオル。
赤く染まった帰り道。コンクリートの隙間で息絶えた猫の姿。
看取られずに命を手放した、死体でも遺体でもない魂のぬけがらを、彼女は「死骸」と呼んだ。

図らずも「死骸の地図」に足を踏み入れたカオル。
愛する彼女の心を強烈に縛り付ける「前に付き合ってたひと」の存在。
「死骸」という言葉を残して消えたという彼の幻影を消し去らない限り、彼女は自分の方を見はしない。
カオルは、死骸の謎を解き明かすことを決意、今日もダンジョンへと足を踏み入れる……。

■12月21日公開『なでラブ!』

なでラブ! by 山本すずめ on pixiv

超水道秘蔵のボツネタその5。
「なでラブ!」

緑星高校。
私立高校にありがちな突飛なカリキュラム変更により、男女比の大きく狂ってしまったこの高校。
かつて名門女子校であった名残はどこへやら、「芸能人で言うとゴブリンとトロールに似てる」女子たちが生徒会としての実権を握り、美醜の価値観を逆転させてしまった。
男子生徒たちはぶさいくな女子たちをお姫様扱いするか、ガチホモの道に走るかのどちらかを選ぶことを余儀なくされた。
これらは学内の二大勢力とされ、どちらの首領も超人的な能力を有していた。

そんなところに入学してきてしまった、ロッカーを志す小川翔、そして楽しい音楽を作りたい鈴木勇也。
ひょんなことから男子生徒の身で真の大和撫子にだけその力を貸し与えるという、一対の輝石「撫子の輝石」に選ばれてしまった二人。
輝石の力で変身すれば、歌も踊りも護身術も、乙女の嗜みは全てが思いのまま。二人にして他の二大勢力に抗うことも夢ではない。

校内の価値観の正常化を目指す藤堂龍治らに押されるがまま、「ホンモノのカワイイ」を追求する、生徒会非公認の女装アイドルユニット「撫子*Library」として活躍することになる…!

■12月17日公開『文系.App』

文系.App by 山本すずめ on pixiv

超水道秘蔵のボツネタその4。
「文系.App」

主人公の新橋新一は、代々理系の家系に生まれながら、数学がてんで駄目な、理系コンプレックスの持ち主。
そんなある日彼が出会ったのは、理系クラスの秀才、木場優子であった。
典型的な理系の特徴を持つ彼女は、バイト禁止の校則を守る為に、得意のプログラムを駆使してスマートフォン向け便利アプリを制作して小遣いを稼いでいた。
しかしながら厳しいアプリの世界では稼ぎは雀の涙。そこに新一がアフィリエイトで身に着けた知識を加えて改良すると、収益は一気に跳ね上がる。
二人は手を組み、今度は稼げるゲームアプリの制作に乗り出すのだった。

エルフの耳を「アート」と称して装着し続ける変人な幼馴染の芸術家、そして、狂ったように動画サイトに自分の動画を上げ続けるドイツ人ハーフの残念なイケメン。
理系と文系。形作る者と紹介する者。遠くて近いふたつの距離は、次第に歪みを生んでゆく。
プロになるつもりはない。自分の人生を犠牲にしない範囲で、楽しめればいい。
どこか冷めた現代の少年少女が迷い込んだ青春の路地裏で、彼らは一体何を見るのか。

■12月14日公開『psychic愛娘』

psychic愛娘 by 山本すずめ on pixiv

超水道秘蔵のボツネタその3。
「psychic愛娘」

樋口正広は、未解決事件や超常現象を扱ったブログの更新で生計を立てる、売れっ子オカルトブロガーである。
そんな彼の元に転がり込んで来たのは、中学生のころに付き合っていた恋人の娘を名乗る少女であった。
母親が「やつら」に殺された。今度は私の番。助けて欲しい。そして仇を取って欲しい。

一見ランダムな文字列、通称「ふっかつのじゅもん」に身を潜ませてこの世界を狙う怪物。
彼らは、この世界の人間の身体を借りて始めてこの世界に存在することができる。

自分の娘と言われても絶対に計算の合わない、自称「愛娘」と、小説嫌いの文学部准教授。
奇妙な三人組による逃走劇、そして復讐劇が幕を開ける。

■12月10日公開『カフェ・カサブランカ』

カフェ・カサブランカ by 山本すずめ on pixiv

超水道秘蔵のボツネタその2。
「カフェ・カサブランカ」

涼女(すずめ)ちゃんは、素直すぎるだけなのでした。
高校生になったというのに、いつまでも素直すぎたせいで、周りとそりが合わなくなってしまいました。
自分の心を守るために、たくさん血の出てくる小説を読みました。V系を聴きました。ゴスロリ服に身を包みました。
いつの間にか彼女は、どこに出しても恥ずかしくない、立派なメンヘラになっていました。

幾度目の自殺未遂による入院が終わって数週間後。精神科でたっぷり薬の処方を受けた帰り道。
彼女の目の前に突如現れたのは、なんだか素敵な喫茶店。
からん、とベルを鳴らして入店すると、そこは「困った人の前にだけ現れる」魔法使いの店。
なんと、店主のややキモめのおじいさまは願いを叶えてくれる魔法使いなのです。
しかし、この平均より少し顔のいい女子高生は素直すぎるので、願い事などすぐには決められませんでした。
散々泣きわめいてリストカットをちらつかせた結果、願い事の猶予を貰う代わりに、元ドーベルマン♂のお兄さんと、元野良猫♀の女の子に人間の何たるかを教えることになりました。
交渉術の勝利です。涼女ちゃんは現代の賢いオンナノコなのでありました。

■12月7日公開『中空大地と鉄翼メガミ』

中空大地と鉄翼メガミ by 山本すずめ on pixiv

超水道秘蔵のボツネタその1。
「中空大地と鉄翼メガミ」

遠い未来、戦争の果てに自らの住む惑星を、死の星へと変えてしまった人類。
残った数少ない人々は、砂漠に打ち立てられた人工地盤の上、中空の世界へと移して、その生命を繋ぐ。
それでもなお逃れられぬ汚染から、人口の八割がいずれかの四肢を失う世界がそこにはあった。

数百年、そんな暮らしが続いたころのこと。
とある地盤の上、18歳未満の子どもたちの通う「ガクエン」の中で、義肢、「人工身体」の非合法な改造屋を営み、幼馴染と共に資金を稼ぐ主人公。
瞳には、伝説とされた上空世界への憧れがあった。
事情は違うが、二人の寿命は著しく短い。
30までは生きないだろう、と言われている。
だから、生きた証を残す。停滞した人類に、自分たちの名前を刻み付ける。
幼き日に抱いた淡い憧れは、この穏やかな日々の中でも、決して衰えることはない。

ある日のこと、空から落ちてきた少女との出会いにより、平穏な日々は終わりを告げる。
空から落ちてきた少女は教会に、「女神」と崇められる女神は「2010年代の東京からやってきた」と泣きながら主張する。
ひょんなことから女神と共に暮らすようになった主人公は、女神の言葉を信じ、真実を追い求める決意をするが…?

「ヤンキー」を目指す少女、宗教に縛られた少年、そして、世界の真実を求める考古学者。
砂埃舞う人工地盤の上で、オイルと血液が織り成す、新しくて懐かしい冒険譚。
「ガクエン・メカニカルパンクアドベンチャー」。

■12月4日「ボツネタ通りのキミとボク」プロローグ

ボツネタ通りのキミとボク プロローグ by 山本すずめ on pixiv

超水道が送る新作ノベル「ボツネタ通りのキミとボク」のコンセプトアートに続きまして、プロローグ部分のイラストです。

物語の主人公「ぼく」は、とある高校に通う文芸部員。しかし最近は新しいアイデアが浮かばず悶々とする日々。
ある日の帰り道、彼は道端で一冊のノートを拾う。
描かれているのは、たぶん、小説のアイデアと思しき色々なこと。しかし、その文字は薄く消えかけている。
ふと、路地裏から手招きする少女の姿が目に入る。このノートの持ち主か、あるいは。
少女の元へと歩を進めると、少女は背を向けて路地裏の奥の奥へと逃げてゆく。
足は、勝手に少女を追いかける。ローファーがコンクリートを蹴る音が、物音ひとつない路地の隙間に反響する。
静かな追いかけっこ。
「あれ、ここはどこだろう」と、そう思った時には、もう、彼は「ボツネタ通り」の前にいた。

■12月4日「ボツネタ通りのキミとボク」コンセプトアート

ボツネタ通りのキミとボク by 山本すずめ on pixiv

『ボツってもしあわせ!』
超水道が送る新作ノベル「ボツネタ通りのキミとボク」のコンセプトアートになります。

「ぼく」が拾ったのは、内容の消えかけた一冊のノート。
謎の少女に導かれるがままに進んだ路地裏。
そしてたどり着いたのは「キミ」のボツネタの集う場所、ボツネタ通り。
世界の崩壊を防ぐため、「ボク」はボツネタの世界を流転する。
超水道がおくる、小粒でピリリと辛い、そして、わずかに苦い、小さな世界の短編作品。
回顧救世主ADV、「ボツネタ通りのキミとボク」。2012年冬コミにてWindows版を限定先行公開予定!


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