「僕」と「森川空」の入部した美術部の二年生。今作の主人公。
私立高校の美術入試に失敗し、滑り止めだった高校に入学した。
そのため、一年生のころは学校生活に対しては消極的だったが、
「早坂遥」との出会いにより、日々に彩りを取り戻す。
先輩である「早坂遥」に心酔しきっており、
受験のために予備校通いで部活に来られない現状に寂しさを感じている。
一方、突然に入部してきた「僕」と「森川空」にはあまり、
よい印象を抱いていない。
二人のことは無視しようと心に決めていたが、
ひょんなことから「僕」に接触、
彼女の日々は、もう一度動き出す。
前作、「森川空のルール」の主人公。今作では副主人公。
どこにでもいるような男子高校生。三年生。
中学のころは美術部に所属していたものの、
いつの間にか絵を描かなくなっていたが、
「森川空」との出会いで、もう一度絵への情熱を取り戻す。
「森川空」とは相思相愛で、
残り少ない高校生活を二人で楽しむ方法をいつも考えているが、
最近は空回り気味である。
ある日、「森川空」の提案により二人で美術部に入部、
「篠原渚」と出会い、
いつの間にか協力をさせられることになる。
個人的に「早坂遥」とも親交があるが、
女性陣は皆一様に変わり者揃いであるため、胃の痛い思いをしている。
「森川空」の伯父の経営する喫茶店、
「フォレストリバー」でアルバイトをしている。
高校三年生で、「僕」のクラスメイト。
そして「篠原渚」の美術部における先輩。
明るく気遣いのできる性格で、持ち前の器量の良さもあってか、
普段はクラスの中心人物である。
個人的に「僕」を尊敬しており、美術部とは関係なく親交がある。
高校に入ってから美術の世界に触れたが、今や「僕」をして
「何もかも勝ち目がない」レベルまでその技術を昇華している。
美大へ進学予定で、都心の美術予備校へ毎日のように通っているため、
最近は美術部にはあまり顔を出せていない。
「篠原渚」に心酔されていることも自覚しており、
嬉しく思う反面、依存の気配を感じて胸を痛めている。
周りからのプレッシャーを感じており、
お互いの胸の内を語り合った「僕」と二人のときは、
少しだけ自由に振る舞うことができるらしい。
喫茶店「フォレストリバー」の常連で、
オーナーで「森川空」の伯父の「森川隆」とも意気投合している。
高校三年生。
中学生のころ見た「僕」の絵に惚れ込み、
絵から離れていた彼を絵の世界に引き戻すきっかけを作った。
当初は絵を描かせるため「僕」へ接近したが、
そのうちに彼自身の人間性にも深く惹かれ、相思相愛となる。
高校を卒業後、関西へ越すことが決まっており、
残り少ない時間を大切に過ごしている。
思い出をつくるために美術部への入部を決断し、今作の物語は始まる。
無愛想で口が悪いので、初対面の印象はすこぶる悪い。
「篠原渚」「早坂遥」との関係はあまり良いとは言えず、
人知れず「僕」の胃痛の一因となっている。
情感溢れる「僕」の絵を評価し、
「自分より上手い」と言って憚らないが、
美術的知識・技術は「僕」を大きく上回る。
また、伯父の「森川隆」は、
喫茶店「フォレストリバー」を経営している。